物販の売上を伸ばしたいというハイブリッド型クリニックの先生とお話をしていると、美容医療の患者さんをターゲットにした商品を伸ばすことに焦点が合い過ぎていることが多いと感じます。

もちろん、物販売上を上げる場合、美容医療の患者さんへ自費の商品をお勧めすることは大切です。しかし、ハイブリッド型クリニックの場合は、実は保険診療の患者さんをターゲットにして商品をご提案しているクリニックのほうが、物販売上が高かったり、安定していたりするケースが少なくありません。

保険診療患者の「圧倒的な母数」を活かす

保険診療の患者さんをターゲットにすると、美容医療の患者さん向けの商品と比較して、商品単価は低くなる傾向があります。

しかし、ハイブリッド型クリニックの場合、美容医療に比べて保険診療の患者数が圧倒的に多いことが大きな強みになります。

商品単価が安くても、購入していただける患者さんの数が増えれば、結果として物販売上全体を大きく伸ばすことができます。

美容医療の患者さんだけを対象に「高単価の商品を何個販売するか」を考えるのではなく、保険診療という大きな患者基盤を物販にも活かすという発想が重要なのです。

保険診療の流れの中で自然に商品をご提案する

もう一つのメリットは、保険診療の流れの中で、患者さんのお悩みや状態に応じて自然に商品の説明ができることです。

たとえば、診察の中で医師が患者さんの状態を確認した上で、必要に応じて適した商品をご提案し、商品の一般的な使用方法や特徴などの詳しい説明をスタッフが行うという流れをつくります。

もちろん、診断や治療方針など医学的な判断が必要な部分は医師が行う必要がありますが、スタッフとの役割分担をうまく構築できれば、医師に大きな負担をかけることなく物販につなげることができます。

最初は仕組みをつくるために多少時間がかかりますが、院内で説明方法やオペレーションを標準化できれば、日々の診療の中で効率的に物販売上を積み上げていくことができるようになります。

リピート購入が物販売上を安定させる

また、保険診療の患者さん向けの商品は、美容医療の患者さん向けの高額商品と比較して購入のハードルが低い商品も多く、実際に使用して良いと感じていただければ、継続購入につながる可能性があります。

物販で重要なのは、一度販売して終わりではありません。

毎月、あるいは数か月ごとに継続して購入していただける商品が増えてくると、患者さん一人当たりのLTV(顧客生涯価値)が高まり、物販売上も安定していきます。

そのため、単純な「販売個数」だけではなく、リピート率や継続購入期間まで含めて物販を設計することが重要です。

美容患者だけを見ていてはもったいない

保険診療の患者さんにひと手間かけて商品をご案内することで、私のお客様のハイブリッド型クリニックでも、保険診療の患者さんをターゲットにした商品の売上が、美容医療の患者さん向け商品の売上を上回っているケースがあります。

これは、ハイブリッド型クリニックだからこそ実現できる物販戦略の一つです。

すでに毎日多くの患者さんが来院しているにもかかわらず、その患者基盤を物販にまったく活かしていないのであれば、大きな機会損失になっている可能性があります。

まずは保険診療患者向けの商品から考える

ハイブリッド型クリニックで物販売上を伸ばしたいという場合は、美容医療の患者さん向けの商品を増やすことだけを考えるのではなく、まずは保険診療の患者さんのお悩みやニーズに合った商品を選び、診療の流れの中で自然にご提案できる仕組みをつくることを考えてみてください。

そのほうが、ゼロから美容医療の患者さんを集患して物販につなげるよりも、早い段階で成果につながるケースは少なくありません。

ただし、保険診療と自費商品の販売は明確に区別し、商品の購入が保険診療を受けるための条件であるかのような誤解を患者さんに与えないことは大前提です。

すでに来院している多くの保険診療患者さんとの接点を活かせることこそ、ハイブリッド型クリニックが物販に取り組む上での大きな強みなのです。



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