ハイブリッド型クリニックほど「カウンセリング」が課題になる

美容クリニックと違い、ハイブリッド型クリニックにおいては、カウンセリングが得意であったり、好きだったりするドクター・スタッフの方は、それほど多くないと思います。

そのため、売上を上げる施策を検討する際も、WEBやSNSの施策、広告を活用した集患の話が中心となり、カウンセリングの具体的な改善施策の話になりづらいことが多くあります。

しかし、美容医療市場が成熟期に入ってくると、これまでのように広告を出せば患者さんが集まるとは限りません。

特定の美容医療に専門化している、あるいは診療圏内で高いシェアや明確な強みを持っているクリニックであれば別ですが、競合との明確な差別化ができていなければ、広告のROAS(広告費用対効果)を高めることが難しくなってきます。

そうなると、いくら広告費を増やしても、なかなか思うような集患に結びつかないことも増えてきます。

「美容医療転換率」と「クロスセル率」を最後に左右するもの

そこで、前回のコラムでお伝えしたように、「美容医療転換率」や「クロスセル率」が重要になってくるわけです。

しかし、院内にさまざまな仕組みを整えたとしても、それはあくまで患者さんに美容医療を知っていただき、興味を持っていただくための「きっかけづくり」に過ぎません。

最終的には、ドクター・スタッフによるカウンセリング、特に治療の適応を判断し、治療方針を決定するドクターのカウンセリングが非常に重要になります。

患者さんがどのようなことに悩んでいるのか。

どのような状態を目指しているのか。

どの程度の費用やダウンタイムまで許容できるのか。

こうした患者さんのニーズ・ウォンツを丁寧に確認した上で、医師が医学的な適応を判断し、治療の選択肢や期待できる効果、費用、リスク・副作用などをわかりやすく説明する。

そして、最終的には患者さん自身に納得して治療を選択していただく。

このプロセスの質を高めることが、結果として美容医療転換率やクロスセル率の向上につながります。

カウンセリングが苦手でも避けては通れない

たとえ先生がカウンセリングを苦手としていても、美容医療の患者数・売上を伸ばしていくためには、カウンセリングの強化が避けては通れないということを、まずは認識していただきたいと思っています。

ただし、ここでいう「カウンセリングの強化」とは、セールストークを磨いたり、患者さんを説得する技術を身につけたりすることではありません。

むしろ、セールストークや説得をできるだけ必要としない仕組みをつくることが重要です。

患者さん自身が、

「これは自分の悩みに合っていそう」

「この治療について詳しく聞いてみたい」

「先生に相談してみたい」

と思える状態を、カウンセリングに入る前につくっておくのです。

苦手なら「カウンセリング」を補強する仕組み」をつくる

そのためには、患者さんが自分に合った治療を理解しやすいメニュー構成や、興味を持ってもらいやすい院内チラシ、そして治療の違いや選び方をわかりやすく説明できるカウンセリングツールなどを、とことん工夫することが大切です。

例えば、口頭だけで治療について説明するのではなく、

「どのようなお悩みに適しているのか」

「治療方法にはどのような選択肢があるのか」

「それぞれの治療にはどのような違いがあるのか」

「費用や治療回数はどの程度なのか」

「どのようなリスク・副作用があるのか」

といった情報を、患者さんが一目で理解できるツールにまとめておけば、ドクターがすべてを一から説明する必要はなくなります。

つまり、カウンセリングが苦手なのであれば、話術だけを磨こうとするのではなく、「カウンセリングを補強する仕組み」を徹底的につくるのです。

「売る」のではなく「患者さん自身に選んでもらう」

美容医療のカウンセリングで目指すべきなのは、患者さんを説得して施術を受けてもらうことではありません。

患者さんのお悩みを正しく把握し、医学的に適切な選択肢を提示し、それぞれのメリットだけでなく、費用やリスク・副作用なども十分に理解していただいたうえで、患者さん自身に納得して治療を選択してもらうことです。

そのためのメニュー構成、院内チラシ、カウンセリングツールを徹底的に工夫する。

そして、カウンセリングの質を高めることで、美容医療転換率やクロスセル率を上げ、結果として美容医療の患者数・売上を伸ばしていく。

広告費を増やすだけではなく、「院内の仕組み」と「カウンセリング」の両方を磨く。

こうしたやり方も、成熟期以降の美容医療市場において、ハイブリッド型クリニックが取るべき戦い方の一つだと私は考えています。


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